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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

新宿末廣亭二月下席夜の部

2019年2月23日
新宿末廣亭二月下席(夜の部)」

 @新宿末廣亭




(お中入り後途中入場)
三遊亭粋歌『わんわーん』
すず風にゃん子・金魚「漫才」
三遊亭天どん『はじめての確定申告』
林家彦いち『掛け声指南』
翁家勝丸「太神楽」
三遊亭白鳥隅田川母娘』






末廣亭夜席白鳥師がトリなんだよな、
と思いつつ白鳥師のサイトを見ていた
ら、 今日はネタ出し隅田川母娘で、
もう寄席では出来なくなるかもしれな
い、という煽り文句が書かれていて矢
も盾もたまらなくなり、必死になって
仕事を切りが良いところまでやって末
廣亭に駆けつけた。丁度仲入りの時。

お仲入り後は新作落語のオンパレード
と色物さん。ほとんど魔宴(サバト)の
様相を呈していたが、愉しさも悪魔級。
客も下っ端悪魔な感じで参加する(強制
含む)場面がいくつかあった 。

天どん師は初聴きの演目、狂気が迸って
度し難し。扇子と手拭い使えよと自分で
言うな、の飛び道具登場、客に向かって
あんなことををするなど前代未聞。半分
くらいはマジ引きしていた。詳述は控え
る。

彦いち師、「ムアンチャイ」コールを要
求。かけ声は苦手なのだが(こっ恥ずかし

いので)、この日は何故か素直に参加できた。

そしてトリの白鳥師、こちらも不粋な詳述
は避けるが、客参加場面あり、で滅法愉し
かった。昨日の『明日に向かって開け!』、
今日の『隅田川母娘』、明日の『天使がバ
スで降りた寄席』、すべて白鳥師ご自身に
よる「寄席でやるのは最後かもしれない」
という煽りがすごかったが、寄席では最後
で、ホール落語ではまだかける可能性があ
る、ということだろうか 。

確かに寄席の高座とホール落語では、根本
的な意味さえ違ってくるような気がする。
『明日に向かって開け!』の「金庫転がり
オチ」は最後かもしれない、という弱気な
書き込みを見て、2012年4月に八王子市芸
術文化会館いちょうホールで初めて当演目
を拝聴した時のことを想起した。

「レフト甚五郎」では爆笑が起こり(会の名
称は喬太郎・白鳥二人会で、番組は緑太
『やかん』、白鳥『明日に向かって開け!』、
勝丸「太神楽」、喬太郎『死神』で、喬太郎
師は呪文を「アジャラモクレン テケレッ
ツノパ― ブラックジョーカー レフトジン
ゴロウ」としていた)

そう言えば今席のヒザは勝丸さんだ。偶然。
終演後、「新作の心意気を見せてやる!」と
言い、転がりながらはけていった白鳥師を見
て、格好良過ぎて惚れそうになったことさえ
もが懐かしく思い出された。

仲入り中、浪曲方面の知人にお会いして驚いた。