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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

昇太・白鳥・白酒 今ドキ落語

2016年5月7日
「第223回府中の森笑劇場 
                  昇太・白鳥・白酒 今ドキ落語」

 @府中の森芸術劇場 ふるさとホール

 


春風亭昇々『最終試験』
瀧川鯉八『俺ほめ』
三遊亭白鳥『初めてのフライト』
~仲入り~
桃月庵白酒『風呂敷』
春風亭昇太『不動坊』

 


会場が割と近場であることと、顔付けに魅かれて
うかがいました。
寄席至上主義の落語スノッブ連からすれば冷笑も
のの、所謂ホール落語でございます。
しかしながら、予想外の展開に吃驚するやら腹が
立つやら爆笑するやらで、ホール落語も馬鹿にし
たものではない、と思わせられました。



まず、番組表に何やら落語批評方面の重鎮らしき
人物の文章が掲載されているのだが、高尚過ぎる
のか何だか知らないが、取りとめがなさ過ぎるぶ
つ切れ文で、非常に読み難い。
明らかに読者を想定していないというか蔑んでい
る感じが濃厚で、一読不愉快になる。
恐らくこの方も「寄席至上主義落語スノッブ」な
御仁なんでしょう。



仲入り前までの展開が滅茶苦茶過ぎです(大爆笑)。



鯉八さんがマクラで「今は空前の落語ブーム(そう
なんですか?存じませんでした)。その担い手は”イ
ケメン落語家”で、何故かと言うと、イケメンなの
に面白いから」と言っていたけれど、
解せません。だって面白くないではないですか(剛
速球を投げてみました)。


当の鯉八さんは、「古新折衷」的な斬新な噺を飄々
と演じていて、面白かったです。



白鳥師『初めてのフライト』。
客参加型落語は苦手。
ぐいーん。って…
だが涙が出る程笑わせて頂きました。


白酒師『風呂敷』は、先月の渋谷落語フェスティバ
ルで拝聴しているのですが、半分ぐらい夢の中だった
ので、今回しっかり拝聴できてよかったです。
白鳥師への毒吐きも素晴らしかったです。



そして昇太師。もしかして日常的に「生贄」的なもの
を喰らっているのではなかろうかこの人は(例えば若い
美男女の生き血を啜っているとか)、というくらいに、
お肌ツヤツヤの絶好調。
今回は、いつにも増して毒気が強かったように感じた
のは気のせいでしょうか。
白鳥師のことを「薄汚いデブ」とまで罵るのは頂けない。


もしかしたら、結果として大ウケした白鳥師に嫉妬?
などというのは下衆の勘繰りでしょうか。
昇太師が「肥えた人」がお嫌いなのは十分分かりました。
そして20分ぐらい押したフルスロットルの『不動坊』。
最高!に面白かったです。



やはり、顔付けによっては、ホール落語も魔窟と化す、
ということを実感させられた落語会でした。
何のことやら。