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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

第25回ヨチヨチSWAN

2017年4月29日
「第25回ヨチヨチSWAN」
  お江戸日本橋亭

 

三遊亭あおもり『(すみません不明です)』
(「ジョニー」という名前のママチャリが出てくる)
三遊亭白鳥『落語の仮面第6話 あや姫伝説』
      ~仲入り~
     『落語の仮面第9話 ふたりの豊志賀』



個人的に「落語界のジャック・デリダ」と呼ばせて頂いて
いるところの、白鳥師勉強会「ヨチヨチSWAN」。
以前から伺いたかったが、なかなかタイミングが合わず、
今回念願叶い、初・ヨチSWAと相成りました。
お江戸日本橋亭に伺ったのも初めてです。
東京の田舎住みにはお江戸は遠い。



定員120名、ほぼ満席でぎゅうぎゅう詰め。
白鳥師のお着物が紫の濃淡に白鳥のワンポイントで、
なかなか素敵でした。



2月の昇太師プロデュースによる下北沢演芸祭で、
第1話~第3話を拝聴している『落語の仮面』シリーズ。
云わずと知れた演劇大河ロマン漫画『ガラスの仮面』が
原作の、白鳥師渾身の新作落語である。特にネタ出しの
第9話に高まる期待。



「ふたりの・・・」と聞いた時点で、原作を読んでいる
ひとは、あっ「ふたりの王女」だな、と合点する。
しかしいきなり『真景累ヶ淵』で豊志賀とは。
そして地底王国・・・って。



爆笑に次ぐ爆笑。あの蛸(じゃなくて地底人だけど)の動き。
涙流しながら笑い、酸欠寸前。
白鳥師はこの「ヨチヨチSWAN」で客の反応を見て、
新ネタの内容を削ったり換骨脱退しているようだ。


最後の方になり、「長いから客がだれてきた」と仰ってお
られたが、決してそんなことはなく、時間を忘れて白鳥師
の落語世界に身を委ねておりました。



ポストモダニズム落語、万歳!



難を言えば、暖かくなってきたとはいえ、冷房はまだ早いの
ではないかと(舞台と高座はライトで熱いかもしれませんが)。
さらに終演後、入口が狭いため客が退出し難く、けっこう長
い間待たなければならないのが辛かったです。



お江戸は遠く、毎回は難しいですが、是非再訪したいと思っ
た次第です。
次作第10話がラストとのこと、刮目して待て。

 

 

※2021年1月追記:落語界のジャック・デリダだのポストモダニズム
落語だの…何を勘違いしていたのだろうか。我ながら不明。