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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

第26回ヨチヨチSWAN

2017年6月25日
「第26回ヨチヨチSWAN」
 @お江戸日本橋亭

 

三遊亭あおもり『芋俵』
三遊亭白鳥『落語の仮面第7話「短命からの脱出」』
~仲入り~
三遊亭白鳥『落語の仮面第10話「走れ元犬、真打への架け橋』



「落語の仮面」シリーズ第一部完結ネタおろし、
ということで、わくわくてかてか状態で伺いました。


お江戸日本橋亭に行くときはJR神田駅から行くのだが、
その途中に高野理化硝子株式会社という、日本で唯一
の実験用ガラス器具小売店があるのを発見した。
建物からして近代建築風で垂涎ものである。



日曜日なのでお店は休業、ショウウインドウから中を
垣間見ることしか出来ない。店内にはお馴染みの試験
管、ビーカー、ピペットや、謎のガラス器具が雑然と
並んでいて、暫く陶然と見つめてしまった(怪しさ満点)。



白鳥師の定例勉強会「ヨチヨチSWAN」に伺うのは
二度目だが、いずれもほぼ満席でぎゅうぎゅう状態だった。



この日は鈴本演芸場で特別興行「ウルトラセブン放送開始
記念落語会」が行われていたため、白鳥師はマクラで、
「落語ファンは皆鈴本に行っちゃったんじゃないかと思って
ました」と仰っていたが、白鳥師マニアと拗らせ落語好きを
見くびってはいけない。



「落語の仮面」シリーズ創作ににあたり、白鳥師は常人に
は計り知れない苦労を重ねてこられたと想像するが、第1話
から第10話まで、祖(粗)形を提示して客の反応を見つつ、
引き算足し算をして練り直し、作品として完成させていく、
そのダイナミズムもポストモダン落語家・白鳥師の魅力の
ひとつである。



第10話は、『ガラスの仮面』のどのエピソードを下地にし
ようか、とだいぶ悩まれたようだが、『元犬』を持ってき
た時点で、『ガラスの仮面』を読んでいる客には「あ、”狼
少女ジェーン”だな」ともろバレである。



しかしもろバレだろうがどうだろうが、そんなことは瑣末
なことでしかない。
思わず「やり過ぎ!」と言いつつ、呼吸困難になる程爆笑
させられた。



次回こそ三越近くの千疋屋フルーツパーラーで、Parfaitを
食べたい。一品が木戸銭と同額だったりするのだが。