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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

雲助・白酒親子会@かめあり

2017年6月9日
五街道雲助 桃月庵白酒 親子会
        ~逸品ぞろいの噺々~」

       @かめありリリオホール

 

桃月庵ひしもち『子ほめ』
桃月庵白酒『錦の袈裟』
五街道雲助中村仲蔵
~仲入り~
五街道雲助『夏泥』
桃月庵白酒厩火事


ストレスが溜まりに溜まってのっぴきならない
状態であったためか、衝動的にチケットを購入
していた。
平日の夜に亀有まで馳せ参じるのは少々きつかった。
東京の西の端から東の端へは約2時間。


番組表の「ご挨拶」で雲助師は、
「あたしの師匠である先代馬生はあたしが真打に
昇進して間もなく、五十四歳の若さで亡くなりま
した。ですから師匠との親子会は一度も開かれる
ことはありませんでした。」
と書かれている。


そういう歴史を踏まえた上での、多分に魅力的な
親子会である。


総領弟子の白酒師は、落語家生活25周年であると
のこと。
「飼い犬と暮らしたのは16年。それより長く一緒
にいるっていうこった」。
師匠の皮肉な言葉の中に、弟子への慈しみがある。


中村仲蔵』『夏泥』を、さらっと粋にこなす師匠
(惚れ惚れしました)。
一方、意外にも『厩火事』で「愛嬌」を前面に押し
出した「女房観」を見せる弟子。その所作は、果て
しなく「丸い」。


以前から不思議なのだが、『錦の袈裟』のおかみ
さんは、何故与太郎と一緒になったのだろう。
究極的には聡明かもしれないが、与太郎はどこま
でいっても与太郎でしかない。
・・・下品な方向にいきそうなので、思考停止。


番組表では雲助師がトリになっているが、雲助一門
は雲助師がトリになることは絶対にない、とのこと。
研ぎ澄まされた芯が一本通っている柔軟さ、がこの
一門の共通項のように思える。


いつも羨望と共に思うのだが、「師匠と弟子」とは、
何と甘美な関係であることか。
「アイラヴユー」を「わたし死んでもいい」と訳す
と言うなら、この言葉こそ「わたし死んでもいい」
とイコールである。


「わたしを弟子にしてください」。