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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

恒例 志の輔らくご 赤坂ACTシアター2017

2017年5月4日
TBS赤坂ACTシアタープロデュース
           恒例 志の輔らくご
 @TBS赤坂ACTシアター


立川志の輔
『第一部 大忠臣蔵仮名手本忠臣蔵のすべて~』
~仲入り~
『第二部 落語 中村仲蔵

 


赤坂ACTシアターでの「恒例 志の輔らくご」、
今年で9年目、とのことである。
例年は黄金週間に丸の内界隈で行われるクラッシック音楽祭
「LFJ(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。因みに12年目)」
に行くのだが、去年に続き今年もテーマにあまり食指が動か
ないので、やめて初めて此方に伺うことにした。



志の輔師独演会のチケットは常に入手困難で、買えたとしても
1階なら最後列、殆ど2階席であることが多い。今回も2階席で、
志の輔師を上から眺めている格好である。
過去に前から3列目の席を購入できたことがあるが、幸運だった、
としか言いようがない。



2階席からだと、志の輔師の顔はぼやけて見えてしまう。
自分自身の目に問題があるのかもしれませんが。
まずは浴衣で御登場、見台の前に座り、映像(主に浮世絵)
を駆使して『仮名手本忠臣蔵』の「大序~十一段目」までを、
実際の「赤穂事件」とからめながら解説していく。
第二部『中村仲蔵』の背景を理解するには、無論「五段目」
が重要である。



仲入り後、いよいよ「料金分」の第二部。
第一部により、物語の背景は心得ており、睡眠十分、体調
万全、周囲に妖怪「ガム男」や「スマホ弄り」もいない。


結果、そこは歌舞伎でもない、講談でも浪曲でもない、
正に「志の輔らくご」の世界。その鮮やかだが情感たっぷり
の、極上の語り口。我を忘れて作品世界に引き込まれた。


流石志の輔、これぞ志の輔立川流の至宝。
堪能させて頂きました。