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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

第八回 玉川太福”月例”木馬亭独演会

2018年6月2日
「第八回 玉川太福”月例”木馬亭独演会」
 @浅草木馬亭




玉川太福・玉川みね子
『地べたの二人 「配線ほどき」』
浪花節じいさん』(作・稲田和浩)
~仲入り~
『紺屋高尾』




木馬亭独演会も八回目。
昨日体調が絶不調のなか神田連雀亭に行き、
翌日性懲りもなく浅草へ。
自分でもどうかしているんじゃないかと思う。

『地べたの二人 「配線ほどき」』
「地べたの二人」シリーズで、唯一聴いていな
かった「配線ほどき」。
先月の道楽亭五夜連続独演会の該当日をキャン
セルしたため、いつ聴けるだろう、と思ってい
たが、こんなに早く拝聴できるとは。
これで「地べたの二人」シリーズをほぼコンプ
リートした。
(厳密に言うと「会場もの」は拝聴していない)

「地べたの二人」シリーズでは、この「配線ほ
どき」が一番好きかもしれない。齋藤さんと言
う名の猫が可愛い。


浪花節じいさん』
浪曲作家の稲田和浩氏作の新作浪曲で、
太福さんの師匠でみね子師匠の亡夫である、
故二代目玉川福太郎師匠は、この作品で1990年
文化庁芸術祭賞を受賞している。

入れ子構造になっており、浪曲内で浪曲を唸る
場面があるのだが、「じいさん」が唸る天保
滸伝が、とても素晴らしかった。
浪曲日本語ラップの親和性…ニワカには理解
が難しい。
先月の根津の会でネタおろしされたようである。


『紺屋高尾』
らくごカフェでの会でネタおろしされて以来、
拝聴するのは二度目である。
まずマクラで「ひとに焦がれる」というとこ
ろから、超過密スケジュールななか、いると
どうしてもかまってしまうので、奥さんとお嬢
さんに数日間実家に帰ってもらったのだが、
2,3日離れただけで禁断症状が出て来てしまい、
他人の娘を見ただけで、「ああ、可愛い」と
抱きつきたくなる、という娘惚気を披露。

落語は勿論、浪曲版にしても、やはり紺屋高尾は
男のディズニーばりのファンタジーだ。
だが浪曲には「節」という魔法の杖があり、すべ
てを丸くおさめてしまうのだ。