2022年3月5日(土)
@浅草木馬亭
東家千春・玉川みね子『秀吉の母』
玉川太福・玉川 鈴『北の国へ’22』
太福・みね子『地べたの二人「十五年」』
~仲入り~
太福・みね子『紺屋高尾』
そして15周年本祭。写真を見るだけで明らかに何かが違う>笑
木馬亭は幸福感、期待感が充満していた。
『北の国へ’22』はソーゾーシーでおろしたネタを発展させた
ものらしい。矢継ぎ早に繰り出される爆笑エピソードに客席が
破裂せんばかりにウケまくっていた。
雪上の「裸印」で、縄文時代の陥し穴に無数に付いた鹿等の獣
足の跡を想起した。落ちた動物が暴れるから無数の穴があくわ
けです>笑
『地べたの二人「十五年」』。この日のための特別バージョン。
太福さんの口演を初めて聴いたのが2017年の夏。約5年前。
それ以前の十年を思い、感慨深く聴いた。
最後の三席目は?
「滅多にやらない」と言い置き、「傾城の…」と語り始められ
たのを聴き、無意識に目を閉じマスク越しに口を押えた。
うれしくて心臓が飛び出しそうだった。
『紺屋高尾』はとても久し振りに聴く。落語の高尾は苦手だが、
浪曲の高尾はとても好きだ。節だけでカタルシスが成立するが
ゆえに。
何故このネタを選ばれたのか。前日にゲスト出演した志の輔師
の会で、師がかけられていた影響か、それとも”来年「3月」15
日”だからだろうか。或いはみね子師匠がお好きだから?
そのすべてが理由だろうか?
いずれにせよ、ずっと聴きたいと思っていたので、泣けるほど
うれしかった。感無量だった。
願わくば、古式ゆかしさを纏う関東節の”カン違いの節”が、
絶えることなく受け継がれていきますように。
前夜祭が「豚次伝」で本祭が『紺屋高尾』。
格好良さと滑稽さをどちらも究極的に演じられるのが、
太福さんの最大の魅力だと思う。
侠客の格好良さと滑稽キャラが同居している状態は、
奇蹟的だ。