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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

傳志会 第四回

2017年12月22日
「傳志会 第四回」
 @イイノホール



立川生志『たいこ腹』
立川志の輔『ねずみ』
~仲入り~
立川談春『除夜の雪』
立川雲水『らくだ』

 


奇蹟的にチケットを買うことが出来た。
傳志会、初回に続き二度目である。



この立川談志の弟子による兄弟会は、
談志を筆頭とした立川流一門の落語
に親しんでいる客にとって特別な落
語会であることは確実だ。



それ故、チケットはあっという間に
売り切れる。今回は、当日券が若干
あったようだが。


恐らく、客側の方が、この会に色々と
意味をくっつけ過ぎているのかもしれ
ない。単純に、志の輔師と談春師の高
座を拝聴できる、ということが、大き
な理由ではあろうが...



この日談春師がかけられた『除夜の雪』。
故三代目桂米朝から直接「お墨付き」を
頂いた、というエピソードがあり、『赤
めだか』にも書かれている。やや後味が
悪い噺である。



昨年11月、観測史上初めて東京に雪が降っ
た日、談春師の独演会が八王子のホールで
開かれ、客の期待通り、談春師は「雪」に
纏わる演目をかけられたのだが、その一つ
がこの『除夜の雪』だった。
(もう一つは『夢金』。「やらなきゃしょう
がないでしょ」と言いつつ。おまけで『替り目』)



この上なき臨場感と共に、筆舌に尽くし難い程、
素晴らしい高座だった。
その当時は、あまりにも現実と虚構が接近して
いたため、正に「夢」を見ていたような感じで、
その素晴らしさに現実感がなかったのだが、
今想起してみて、改めて現実味を帯びてきた。



もっと都心の方のホールであったら、もしかして、
伝説めいて語り草になったかもしれない独演会。



それを拝聴してしまった身としては、「傳志会」
でのこの『除夜の雪』は、少々物足りなかった。
更に、こちらの気のせいかもしれないが、談春
はあまり元気がないように見えた。



そして、あくまでも好みの問題とは思うが、
このトリは、流れから言っても酷である。
傳志会、次回は4月とのことだが、暫くチケット
争奪戦に参加することはないと思う。