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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

志の輔らくご in EX 2016

2016年12月17日
「PARCO PRODUCE 志の輔らくご in EX 2016」

 @EX THEATER ROPPONGI



立川志の輔
『ディアファミリー』
~仲入り~
歓喜の歌』



久し振りの志の輔師独演会はギロッポンにて。
毎年始恒例PARCOでの独演会は、劇場が改修の
ため、来年はお休み。その代わり、の年末独演会
のようだ。



談志に「立川流の最高傑作」と言わしめた志の輔師の
生高座。チケット入手困難なため、数える程しか接す
ることが出来ていない。
二席とも新作で、生で拝聴するのは実に初めてのこと

である。



安っぽい(と言っては失礼だが)カジノと見紛うEXシアター
の入口。
志の輔師のマクラによれば、このホールはミュージシャン
にとっての理想を実現しているホールであるらしい。
そのこころは、舞台と客席の間に見えない遮断幕のような
ものがあり、完全に分断されている。つまり、演者には客
席の音が一切聞えない。自らが奏でる音しか聞えない、と
いうことらしい。



志の輔師は無反応の客にたじろぎ、そうと知って立腹した
とのこと。
それはそうだ、何のためのライヴなのか。一体誰のための
粋を集めた
技術なのだろうか。現在は改善されているらしいが。
このホールで落語を演じたのは志の輔師だけのようだが、
何故声がかかったかと言うと、ホールの最高責任者が志の輔
の大学の後輩であるという。


『ディアファミリー』。「ディア」=鹿だったとは。
歓喜の歌』。最後、一旦幕が下りた後、舞台にママさんコー
ラス隊出現、志の輔師がマエストロの衣装で指揮をし「歓喜
歌」を。


一級のエンターテインメントであることは確かなのだが、
会場が暗いのと、2階席で高座がものすごく遠いため、
疲労と寝不足がたたって二席ともほとんど夢心地状態。
自分が腹立たしいが、一般的な落語会のチケット代よりも
お高め(6千円也。これが「ネット先行予約」とやらで購入
の場合、色々な特別料金がひっついてきて結局7千円近く
なる)でも、納得できてしまう、というのがその証左だ。


次は一体いつ志の輔師の生高座に接することができるの
だろう。杳として知れない。