2015年12月23日
無謀だとは思ったが、図録だけ欲しかったので、
並ぶのを覚悟で最終日に行ってみた。
有楽町線の江戸川橋駅を降り、神田川べりの遊歩道を
てくてく歩く。
と、眼前にけっこうな傾斜&段数の階段がお出迎え。
ここを登らなければ辿り着けないらしい。ご勘弁を…
それでまたこの階段の一段の幅が広過ぎて、
微妙に一歩では登れない。貧血のため、完全に息切れ
の態で登り切る。
殺す気ですか?>冗談です
永青文庫は旧熊本藩細川家伝来の美術品等を蒐集・
展示している美術館で、理事長は18代細川家当主、
細川護煕である。
今回、国内で初めて春画がテーマの美術展を開催した。
18歳未満は入場禁止である。
はあはあいいながら入口に辿り着くと、長蛇の列。
入場規制で70分待ち。
仕方がない。どこから来たのか知らないが、「げ、
マジ!?」と列に怯んでいたヤンキーカップル。
お菓子配ってるんじゃないから帰んな。
暫く待ったが、確かPM2:30開演だよな、と次に行く
予定の志らく師独演会のチケットを取り出して確認。
あらヤダPM1:30開演じゃないですか。
間に合わないっ!
春画展はPM8:00までとのことなので、列を抜けて小
走りで駅へ。
独演会の場所は毎年恒例よみうりホールだ。
有楽町線でよかったね。
②リビング落語会第五回 2015年
「今年最後の立川志らく独演会」
@よみうりホール
立川志らく『短命』『粗忽長屋』
『死神』
~仲入り~
『「死神」後日談』
師匠談志の年末恒例独演会を引き継いだ形で始まった
この独演会、今年でもう五回目である。
昨年までは必ず『芝浜』をかけていたが、今年はなし。
『芝浜』は、年末の風物詩のような噺で、噺そのものが
単純なので、正直飽きていた。
談志版と喬太郎師の『芝カマ』(このタイトルはあまり
頂けない)以外は積極的に聴きたくない(極個人的なこと
です)。
志らく師版『短命』のおかみさんは、『芝浜』のおかみ
さんとは対照的で、豪快で痛快。
『死神』のオチは、志らく師版の、死神が「ハッピーバー
スデイトゥーユー」と言って男がつい自分の蝋燭を吹き消
してしまう、というオチが一番好きです。
呪文(スタンダード:「アジャラカモクレン、キュウライス、
テケレッツノパ」)は、
「○○兄さんの役を○○○○がやるんだって。ふへへっ」
だった(立川談春著『赤めだか』ドラマ版を参照)。
※12月28日、『赤めだか』ドラマ版が放映された。
立川談春/二宮和也 立川談志/ビートたけし
立川志らく/濱田岳 立川志の輔/香川照之
他、宮川大輔、春風亭昇太、春風亭小朝、柳家喬太郎
やはり談志の役をビートたけしが演じるのは無理があった
と思う。「ばかやろう」と言っている主体は、「たけし師
匠」以外の何者でもない。演技がどうとかそういうことで
はなく。
良かったのは志の輔師役の香川照之と、志らく師役の濱田岳
だ。後者は、当時の志らく師の生意気さとか捉えどころのな
さとか得体の知れなさ、がよく伝わってきた(言いたい放題)。
『「死神」後日談』は、ゴーリキーの『どん底』を下敷きに
しつつ、演劇の落語化を試みた、ということであったが、
超疲れていたのと会場内があったかぬくぬく&暗かったので
9割ぐらい夢の中に居ました。すみません…
会場を出て、そのまま有楽町線で江戸川橋に引き返す。
幸い雨は小雨程度。朝からほとんど何も口にしていなかった
ので、『孤独のグルメ』状態に。良さげな洋食屋さんがあった
が、祭日のためお休み。定食屋らしきお店に入るが、席回りは
フライのかすだらけ、ゴミも散乱。
鶏の唐揚げ定食を注文。
お腹空いていたし、おうちご飯みたいで美味しかったです。
そしてまたあの忌々しい階段を上って永青文庫へ。
PM5:30だったがまだ入場規制、20分待ち。
漸く入っても人が満杯で出入口まではみ出ていて、
画なんか見れたものじゃない。男女(男男、女女もある)が
まぐわっている絵をこんなに大勢の人間が注視している状態
を外側から見て白けてしまった上、酸欠寸前になってしまい、
館内滞在5分程度で出て、奪うように図録を購入、逃げるよ
うにして帰った。
図録は、高価なだけあって和綴じの凝った造り。
恐らく次に春画がテーマの美術展があっても、
よほどのことがない限り行くことはないだろう。