2012年3月16日
「立川志らく独演会」
@銀座ブロッサム中央会館
立川志らく
『転失気』
『中村仲蔵』
~仲入り~
『淀五郎』
一年前の3月17日、大震災後一週間弱で行われた独演会。
状況は変わらず、原発は相変わらずだし、いつ大地震が起
こるか分からない恐怖に晒されている。
しかし、一年経ち、この独演会に来れた、ということを噛
みしめた。
その前に。仕事を少し早く上がり、今月で閉店してしまう
ジュンク堂書店新宿店に行った。「本当に売りたかった本」
と称し、各フロア担当者が棚を作っていた。
「希少本コーナー」があり、パロル舎の本が散見された。
この出版社も、今はもうない。絵本の良書を出していた、
ややマニアックな出版社だった。残念で仕方がない。
三越の上階にあったが、「三越アルコット」全体がなくなり、
家電量販店になるそうだ。
不況。家電量販店は駅前にイヤというほどの軒を並べているのに。
中国人観光客目当てだろうか?そのために書店が消滅するとは…
世知辛い。いっそのこと、こっち(東京都下方面)に進出してくれれ
ばいいのに。と思ってしまう。
※2016年2月、本当に進出した(立川髙島屋内)。
老舗フルーツパーラー「万惣」が閉店するそうだが、
とても行けそうにないので、なんとなくタカノフルー
ツパーラーでパフェなど食べようと思ったら、
平日の夕方なのに満席で、20分~30分待ち。諦めて、
その上階にある、中村屋仮店舗(本店は改装中)で久し
振りにチキンカレーを食べた。時間がなかったのでかきこむ。
地下鉄がなんだかもう、複雑で、有楽町線に乗るまで一苦労。
間に合わないんじゃないか?と思って冷や汗ものだったけれど、
なんとか5分前くらいに着いた。
今回も前座なし。何故『転失気』?(屁、のこと)
マクラは当然震災について、先日の平成中村座でのこと、
談志家元のこと等。
次に『中村仲蔵』。歌舞伎役者の噺。むむむむ。
仕事の疲れか、お腹一杯にしてしまったからいけないのか。
睡魔が甘いミルクのように…
仲入り。嵐山光三郎先生を見かける。何と言う真ん丸な、
福々しい笑顔。思わず拝みたくなってしまった。
『淀五郎』は、『中村仲蔵』のその後、のような噺。
他の落語家さん(八代目林家正蔵とか)で聴いても、
大体寝る前なので、終わりまで聴けた試しがない。
しかし、夢と現実の間を行き来しているようなこの状態が、
心地良くて仕方がなかった。何だかもう、このまま死んで
しまっても、悔いはないな、と思ってしまった。
帰りは人の流れに押し出され、またしても新富町方面とは
反対の方向に出てしまった。東銀座の駅から帰るはめに。
来年もまた、来られるだろうか?