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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

蜃気楼龍玉・神田春陽二人会

2022年4月9日(土)②

 

「蜃気楼龍玉・神田春陽二人会」(第4回)

@らくごカフェ

 

田辺一記『阿茶局

神田春陽天保六花撰「丸利の強請」』

蜃気楼龍玉『鰍沢

~仲入り~

龍玉『ぞろぞろ』

春陽『復讐奇談「安積沼」』

 

 

この日は本来なら行くべき所があったはずなのだ
が、理不尽な理由でかなわなかった。
自分の感情(嫉妬その他)の問題ではない。
そのためどうしても他に行くべき所を探さなけれ
ばならなかった。
するとあまり時間は被らないが、願ってもない会
があることを知った。
招かれざる客になる可能性は否定できないが。
第4回にして初めて知った二人会。

 

「安積沼」は『小幡小平次』の原典的な話。
春先の怪談はねっとりとからみつくように怖かった。
そして何と言っても龍玉師の『鰍沢』。
後席が『ぞろぞろ』だったので、逆では?と思った
が。
コアなファンなら何度も聴いているネタだろうけれ
ど、私は生で聴くのは初めてだ。ずっと体感したかっ
たがようやく叶った。
らくごカフェの高座と客席の距離は、異空間の現前を
可能にしていた。
雪の白さ冷たさのリアリティに震え、お熊が構える銃
の鋭さが心に刺さった。
ずっと縷々血を流し続けている心に。