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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

月刊太福マガジン 2018年7月号

2018年7月14日
「公開収録ライブ 月刊太福マガジン
           2018年7月号」
 @渋谷ユーロライブ




立川かしめ「前説」
橘家かな文『雛鍔
玉川太福・玉川みね子
『地べたの二人 「骨付きチキン~
          上空の二人」』




浪曲師の玉川太福さん(及び曲師の玉川みね子師匠)の
口演を初めて拝聴してから約1年が経ち、そして今日
渋谷らくご」というコンテクスト内の太福さんの会
に初めて伺うことが出来た。


初めて拝聴した演目は『銭湯激戦区』『中村仲蔵』で、
ベタな表現だが頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。
「これが浪曲?すごい、カッコいい!」
終演後、帰宅する道すがら、頭の中には感嘆符と目覚
ましいもの(花とか星とか)が飛び交っていた。


初めて崇拝する対象(アイドル)に出会った女子高生の
ように、それから足繁く太福さんの独演会他に通うよ
うになったが、太福さんを世に知らしめるきっかけの
要因であるところの「渋谷らくご」の会には終ぞ足を
踏み入れることがなかった。



それは「渋谷らくご」のコンテクストがはっきり「初
心者(若者)」を指していたため、私のような「落語通」
などではまったくないが、少し擦れた落語客には、逆
に敷居が高く感じられたからである。


今回タイミングが合ったので、勇を鼓して足を踏み入
れてみたが、こんなにアグレッシブで自由な太福さん
を見たのは初めてである。
この演目は他の独演会で拝聴したことがあるが、格段
にパワーアップしていた。



「サッカーで、選手が大袈裟に痛がるしぐさ」を、客
の反応が薄い時に入れていることも含め、配信される
としても「音」だけで全容を想像するのは至難の業だ
と思う。落語の『蒟蒻問答』が音だけでは何のこっちゃ
わからないのと同じで。



動き回る太福さんを見て吹き出してしまうみね子師匠
と相俟って、それこそが「ライブ」の醍醐味であると
言ってしまえばそれまでだが、終演後、この時この場、
でしか味わえない珠玉の口演に接する機会を、自ら棄
てていたのか、と我ながら自分を歯痒く思ったのだった。



渋谷らくごのキュレーターサンキュータツオ氏の言葉通
り、ある程度接したら「卒業」しなければいけない場な
のであろうが、この会は期間限定のようなので、機会が
あれば是非また行きたい。



睡眠不足とか疲れとか暑さとか空調とか暗さとかで意識
が飛んでいた場面がけっこうあった。特にかな文さん。

大変申し訳ありませんでした...