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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

立川らく兵独演会@調布

2016年2月27日
「おらほせんがわ落語会
      立川らく兵独演会」

 仙川商店街協同組合事務所2階(調布市)




立川らく兵『洒落小町』
     『禁酒番屋
     ~仲入り~
     『長短』
     『親子酒』




2014年早々、師匠志らく師から破門を言い渡された
らく兵さん。
その時のことをここにも書いた(「才能、ということ」
2014年1月)が、思っていたよりも早く復帰されて、
喜ばしいことである。
復帰されたことを知りつつも、なかなか高座に接する
ことが出来なかったが、割と近場で行われたこちらに
伺うことが出来た。



商店街協同組合の、落語好きの方が主催している手作
りの落語会。
色々破綻しつつも(特に急拵えっぽい高座。高い上に
脆く、ぐらぐらしていた)、和やかに進んだ。



お食事付き、というのが面白い趣向だった。
チケット代の中に食事代が含まれていて、商店街組合
に加入しているお店の中から、好きなお店を選んで食
事が出来る、という趣向。
私が選んだのは洋食屋さんで、ご主人がまるで三代目
桂春団治といった風情の方で、食事後「御馳走様」と
言って出るとき、「どうぞ愉しんで下さい」と言って
送り出して頂けたのがうれしかった。



久し振りのらく兵さんの生高座は、師匠譲りのリズム&
テンポの良さに磨きがかかっていて、良い意味で夢心地
にさせられた。


終演後、タルコフスキーのDVDとジャン=ポール・エヴァ
ンのショコラを差し上げたのだが、「あ、ご無沙汰してお
ります」と仰ったので、おや、覚えて頂いていたのですね、
と少し意外だったがうれしかった。



しかし、大した応援も出来ないのに(タニマチになるとかね)、
知り合いでもない「表現する人」に近付くのはあまり良くな
い、というのが基本姿勢としてあるので、自分の中では少し
近づき過ぎてしまったかな、と思う。
コミュ(ニケーション)下手は大人しくしておくに限ります。



それにしても、らく兵さんが復帰することが出来て本当に
良かった。
近いうちに是非大ネタも拝聴してみたいです。