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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

鍛耳会7

2018年4月25日
「鍛耳会7」
 @koenji  HACO

 


富士美子・玉川みね子『秋田蕗』
玉川太福・玉川みね子『万引き』
~仲入り~
太福・みね子
清水次郎長伝 第二話「次郎長出立」』




玉川太福さんは定期的に行う独演会を複数もって
おられるが、この「鍛耳会」は、「新作ネタおろ
し、古典蔵出し」がテーマであるようだ。
7回目にして、初めて伺った。



会場のkoenji  HACOは、高円寺北口の、JRガード下
に軒を連ねる小規模な飲食店や雑貨店のうちの一軒
で、主に若手の芸人さんの会が開かれる場であるら
しい。少し饐えた匂いがする、薄暗いガード下。



20人程度で満席のコンパクトな会場。
そこで行われる古典大衆芸能(落語・講談・浪曲)。
怪しさと近代(モダン)風味で雰囲気満点、である。



「前読み」というのは、落語でいうところの「開口
一番」のようなものであろうか。富士美子さんは初々
しく可憐な感じ。



今回席が上手側だったので、みね子師匠が
調子笛(で
いいんでしょうか)で三味線の調弦・調音をされる様
子を具に見ることが出来た。すごくカッコいい。ロ
バート・フリップがギターをチューニングしている
姿とえらく変わらない。





『万引き』は自作新作で、確か二ッ目落語家さんた
ちとのユニット「ソーゾーシー」でネタおろしした
ものである。太福さんの今までの自作新作と、少し
作風が違うように感じられたので、後日SNSで御本
人にうかがってみたところ、昔作ったコントが元に
なっているとのこと。
なるほど、それで「枠」が違って見えたのか、と得
心がいった。





清水次郎長伝 第二話「次郎長出立」』。
この連作中、最も盛り上がりが少ない、所謂「ダレ
場」っていうんでしょうか。




しかし、唸るにつれて、太福さんが汗をかき、顔が
少し赤味を帯びてつやつやとしてくると、とても
艶めかしく(←清新でみずみずしい、若々しいの意
の方)見えてくる。


御本人にそんな自覚はないであろうし、浪曲師の
唸り&啖呵ではなく、外見の魅力を語るのは邪道
なのかもしれないが、それが太福さんの魅力の一、
であることは確かだ。