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玉川太福の浪曲入門その13

2018年2月8日
玉川太福浪曲入門 その13」
 @西新宿ミュージックテイト



「鼎談」
稲田和浩・玉川太福・沢村美舟・中川原屋氏
~仲入り~
玉川太福・沢村美舟
天保六花撰~河内山と直次郎』

 


単純に、「浪曲作家」とはどういう存在か興味が
あったので伺った。もし自分が表現者として浪曲
に関わるとしたら、唸る(口演する)より、作る(書
く)方に可能性を見出せそうだから。
とは言え好きな浪曲師の口演を聴く立場がベスト
なのは言うまでもない。

 



「新作浪曲」に関して言えば、まるで「型」のよう
なものがなく、稲田氏は「女子高生がクッキーを焼
く」浪曲、というものまで作られているそうだ。




太福さん自作の新作浪曲も、特別な事が何も起こら
ない「日常風景」を切り取った作風で、むしろ流動
的でかたちが定まらない「日常」に、浪曲(節)をつ
けてがっしりと型にはめ、その型ごと放出するとい
う、その逆転的発想が非常に面白い。

 



そして『天保六花撰~河内山と直次郎』。原本は二
代目松林伯圓作の講談。初めて拝聴。
この距離感で拝聴する太福さんの唸りは格別。
もはや中毒。合わせる美舟さんとの息もぴったり
(美舟さんはいつにも増して美しく可愛らしく見えた)。

 



少し早いヴァレンタインとして、J-P Hévinのショコラ
を差し入れたのだが、本当の所こういうのどうなんだ
ろう。いつも素晴らしい口演を体験させて頂いて、木
戸銭以外に些少ながら何かお礼をしたい、という純粋
な気持ちの表れでしかないのですけど。
やはり迷惑なんだろうか...



もし自分が逆の立場だったらどうだろう、と想像して
みるが、確かに「手作り」とか言われたら恐くて受け
取れないかもしれない。でも上記のショコラだったら
受け取ると思う(理屈抜きで美味しいものだから)。