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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

春風亭一之輔独演会@三鷹2017秋

2017年11月11日
春風亭一之輔独演会」
 @三鷹市芸術文化センター星のホール





春風亭朝七『真田小僧
春風亭一之輔『味噌蔵』
~仲入り~
三増紋之助「曲独楽」
春風亭一之輔粗忽の釘



久し振りの一之輔師独演会。
昨年までは、白酒師同様「二人会」の形式
だったが、今年から晴れて独演会となった。
三鷹で一之輔師の高座を拝聴するのは初め
てである。


三鷹市芸術文化センターは、三鷹駅から微妙
な距離にあるため、何となくいつも遅れ気味
に着くのだが、今回は諦めて(何を?)バスを
使ったため、開演7分前くらいに着いた。


「あ、三鷹市芸術文化センター名物、某氏の
開演前の注意アナウンス聞ける」と思ったの
だが、さにあらず。
声が若い。単調…おやおや?どういうことで
しょう。


一之輔師のマクラによれば、その「モリモト

氏は、その日事情により休みである、とのこと。
なんだい~。がっかりである。


部下のひとが代演(違)を務めたそうだが、もし
かして、あの目が笑っていなくて意地悪そう
な(余計な御世話だ)眼鏡の男性だろうか。


以前、大雪のため交通機関が麻痺し、志らく
の独演会に行けなかったことがあったが、その
時払い戻しの件で、モリモト氏から御電話を頂
いたことがある。あのアナウンスのまんまだっ
た。


『味噌蔵』。昨年12月に「人形町らくだ亭」で
拝聴して以来、二度め。相変わらず何故
「La Marseillaise」で番頭が「リヨン生れ」なのか、
謎である。そもそも「どがちゃかどがちゃか」帳面
を誤魔化す、という如何にも落語らしい愉し過ぎる
フレーズが謎であるのは言うまでもない。


三増紋之助さんの曲独楽がなかなかに愉しかった。
客(ズボンにシャツをin、のあの方は、本当にいき
なりの抜擢だったのだろうか)を舞台に上げて手伝
わせたり、妙にビジネスライクだったり、「トト
ロの綱渡り」という場面では、トトロのぬいぐる
みのお尻に躊躇なくぶす、と大独楽の軸を刺したり。
予定調和を乱すことが予定調和、というアンビヴァ
レントな芸。



粗忽の釘』。一之輔師では初めて拝聴した。
こういう漫才めいた夫婦の掛け合いは、一之輔師の
独壇場で、私生活を反映しているのかどうかは不明
だが、想像に難くない。


前の方の席に某へヴィ・メタル雑誌編集長で落語評
論家である某氏が、奥様らしき女性と並んで座って
おられたのだが、その女性のファッションセンスが
なかなかに「如何にも」な感じだったので、「夫婦っ
てのは...だよなあ」と首肯する他にはないので
あった。