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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

百夜一夜落語会 第四回

2015年11月7日
「百栄一之輔 百夜一夜落語会」第四回
@成城ホール



春風亭朝太郎『雑俳』
春風亭一之輔『尻餅』
春風亭百栄『バイオレンス・スコ』
~仲入り~
春風亭百栄お血脈
春風亭一之輔『長屋の雪見』



ものすごく久し振りに訪れたような気がする成城ホール。
何年か前、談春師「アナザーワールド」へ通っていた時期
があった。それ以来行っていなかったのだ(記憶が確かならば)。
ほんの少しだけ懐かしいような気持ちがこみ上げて消えた。
百栄、一之輔両師の高座を聴くのも久し振りだった。



何はともあれ会場があったかぬくぬくで、何度も睡魔に襲わ
れてしまった。仕事疲れも手伝い、さらには百栄師がやや正
攻法に『お血脈』なんておやりになるものだから(何故に?
『露出さん』再び、を期待したが無駄でした)、意識が飛び
まくりでした。



それにしても客層が濃い。会場に大鼾を響き渡らせていた、
極端にふくよかな御仁。カノジョだか何だかにいちいちご
高説を垂れている兄ちゃん。興醒めです。



一之輔師『長屋の雪見』は新作で、滅法面白かった。
オチにやや近い場面、猫好きにはたまりません。
一之輔師の高座は、いつも気持ち良く頭を使わせて
くれます。



終演後、「有難うございました~」と言いながら、
だらだら会場を出る客達の間を縫って、逆流して
くるのはピンクのジーンズに花柄ピンクのシャツ
が私服の百栄師だ。
年配のおじさんが「今度○○○行きます!」と声
をかけると、「あっは~い」と笑顔で応える。
どこに行っておられたのだろうか。



「打ち上げ」で落語家さんと語り合うなんてこっ
恥ずかしいぜ、と思ってしまう性分なんで、
○○○には足が向かんとです。



この二人会、第四回ということですが、どういった
意図のもとに始まったのでしょうか。一之輔師は、
マクラで「楽屋での会話もなく」と言っておられま
したし、何か目覚ましい化学反応が起きるとも思え
ません。どちらかと言うとマニア受けしそうな二人
会のように思えます(客層の「濃さ」から言っても)。



是が非でも行きたい「二人会」というのを想像して
みる(存命落語家さんに限る)。
生落語を聴きに行くようになって10年未満の駆け出
しにしてみれば、やはり「志らく談春二人会」は
夢の顔合わせです。実現する可能性も少なそうですし。



談春師は殆ど独演会しかされないので、「談春・三三
二人会」「昇太・談春二人会」「談春・白鳥二人会」
等、行ってみたい顔合わせが幾つも浮かびます。
喬太郎・白鳥二人会」「白鳥・百栄二人会」「三三
・一之輔二人会」…切りがない。



白酒師は上記の落語家さんすべて。「雲助・一之輔二人
会」「雲助・喬太郎二人会」、「さん喬・白鳥二人会」
とか…わはははははは。



何年か前、渋谷の伝承ホールで百栄師が独演会をされた
ことがあり、ゲストが昇太師だった。あれは今想起して
もとても素晴らしい会でした。百栄師には、是非ともま
たホールでの独演会をやって頂きたい。切望します。