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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

柳家三三独演会(2014初夏小金井)

2014年7月19日
柳家三三 独演会」
 @小金井市民交流センター大ホール




『看板の一』
『錦の袈裟』

~仲入り~
『笠碁』



前座なし、の三席。



やや長めのマクラ。「宮中歌会始」の意外な面白さ、
ディズニーアニメ『アナと雪の女王』からヒットした歌
「Let it go」は、実は大変ネガティヴな状況で歌われる、等。
(ディズニーアニメには一切興味がないので、初めて知った)



師匠小三治が「人間国宝」になったことに一切触れなかった
ことが逆に気になった。



明日への活力を得るために生落語を聴きに行くわけではない。
「想像する」ことによってロクでもない現実を忘れるために
聴きに行っている。落語っていうのはそういう意味でアタマ
を使う、特別な娯楽なのだ。




『笠碁』は梅雨時の噺なのか、秋雨時の噺なのか、
と言われるけれど、私は梅雨時がしっくりくる。
「(碁を打つのは)あの人じゃないと駄目な身体になっちまって」
というのが元からある言葉なら、やっぱり「友愛」チックな可
愛い噺だな、と思うけれども、三三師オリジナルなら、「この
噺、ソレっぽいよな」と三三師が心得たうえで付け足している、
ということになる。


最前列左端ぐらいの河童禿げのお爺さんが、
初めから終わりまでずーーーっともぐもぐもぐもぐ何か食って
いたので、気になって仕方がなかった。多分ガムだろう。
まさか本当に牛とか駱駝みたいに反芻しているわけじゃあるまい。
禁煙だけでなく、会場は「禁ガム」にしてもらいたい。


帰り、別の所用でうろこいていて、買物しようと思ってセンター
の方に戻ったら、丁度ミミ師が私服になって一人でお帰りの所に
遭遇した。目がうつろな感じで「おすまし」な態。けっこう大荷
物だったが、付き人(お弟子)さんとかいないのですね。
握手してもらおうかと一瞬思ったが、両手がふさがっているのを
見てやめました。


若くして大成することの不安。
色々迷っていて、その迷っている様、が微笑ましいというか、
何というか・・・
客なんて勝手なもんです。