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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

才能、ということ

2014年1月20日


秘かに応援(とは言っても大したことはしていないが)
していた立川流の某二ツ目落語家さんが破門され、
廃業してしまった。


破門する、ということは、余程のことだと想像する。
その二ツ目さんは、「余程のしくじり」をしてしまっ
たのだと考えられる。


それこそ「業」ってやつなのだろうか?


しかし、落語家として将来有望な、見るからに才能に
あふれた方だったので、残念で仕方がない。得難い宝
物を失ってしまったかのような喪失感を覚えている。



ただの客に関係ないだろう、と言われそうだが、
自分でも驚くぐらいに感傷的になり、涙まで出てしまった。


「了見」の違いや人間性云々、で失われてしまう、
星の数程の才能へ、鎮魂歌を。



何故かタルコフスキーの映画『サクリファイス』のラスト
が脳裏に浮かび、暫く消えなかった。
この場面にはJ.S.バッハマタイ受難曲』第47曲のアリア、
「憐れみ給え、我が神よ」が流れている。


"Erbarme dich, mein Gott..."

神、という非存在の存在、には懐疑的、なれど。


Le talent sans génie est peu de chose. 
Le génie sans talent n' est rien.
                     ―Paul Valély

「天分無き才能は取るに足りない、才能無き天分は無だ」
                      ―ポール・ヴァレリー