2011年3月11日午後2時46分。
この「時」を忘れる日本(関東以北)在住の人間はいないだろう。
人間の無力さを突きつけられる事象。自然に対する本物の、
リアルな「恐怖」。マグニチュード9.0?阪神大震災の数十
倍?具体的だが理解不能の数字。究極の人間差別。
彼の存在は、どれだけ「犠牲」を欲するのか?
福島の原子力発電所の外壁破損。放射能漏れ。被曝(というと
大袈裟で、「汚染」と言った方が良いと専門家が指摘してい
たが…)してしまった人。各国が注目しているって?とんだ賠
償だ。そこまでしなければいけないことを、してしまったと
いうのか?
「我々」は。
まだ余震はおさまらない。そしてこの大震災にも「意味」を求
めてしまう、人間は無力の上に愚かだ(無論自分を含む)。
Twitterには功罪あって、一概にバカにしたものでもないと思う。
悪質なデマを流す奴はどこにでも湧いて出る。携帯電話は通じ
なくとも、Twitterにはアクセス出来る、ということ。
その前日(3月10日)の夜、久し振りに立川談春師匠の
独演会「アナザーワールド7」に行くことが出来た。
あまり乗りたくない電車に乗らなければいけないが、それが一
番早いので致し方ない。
成城ホールには初めて来たはずだ。割と小さめのホー
ルだが、落語にはちょうどいいかもしれない。真中の前の方の
席に漫画家のいしかわじゅん氏がいるように見えたが、見間違
いだろうか。
そして開口一番は立川春太という名の御弟子さん。
『道灌』。後で談春師匠が、5日間日替わりで弟子に
『道灌』を演らせることになっている、と言っていた(明日
はこはるさん、とのことだったが、地震のため中止になった)。
『按摩の炬燵』。談春師匠は下戸だそうだが、いかにも美味
しそうに舌鼓を打ちながら酒を飲む場面を演じる。私も下戸
なので、師匠は代わりに何の飲物を想定しているのだろう、
と考えてしまった(ちなみに私はヴ―ヴ・クリコとか高価な
シャンパーニュなら何とか飲めるいけ好かない体質である)。
次は『木乃伊取り』。熱狂的ファンが多数いて、チケットが
なかなか買えず、5日間すべて完売なのも頷ける。とにかく
可笑しいやら感心するやら何やかやで、超一級のエンターテ
インメントであることは間違いない。それをたった一人でや
ってのけるのである。
この「アナザーワールド」という企画は、あまり演じられない
噺を積極的にかける「黒談春」のシリーズであるらしい。
初心者向けの独演会「白談春」での演目を、今WEBサイトで
募集している。その結果1位と2位になった噺をやる趣向。投
票してみたが(何に入れたかは書かない)、一体何が1位なのか…
やっぱり『文七元結』とか『芝浜』とかでしょうか。チケットが
買えるかどうかも分かりませんが。
もっと落語の「噺」そのものを覚えないといけませんね。一生勉強。
この記事のタイトルは「地震の揺れ、政治的衝撃、そして精神の動揺」。