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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

初めての「教授」

2009年4月28日

坂本龍一ピアノ・ソロ・
コンサートツアーat
東京オペラシティ

 


YMO時代からファンだったが、「生教授」
は実にこれが初めてだ。



1986年までNHK・FMで放送された
サウンドストリート
火曜日が坂本教授。毎週ほとんど正座
状態で聴いていた。
金曜日は渋谷陽一大先生。


バイクが通ったりすると聞こえないボソボソ
声と、オープニング曲『Photo Muzik』
「デモ・テープ特集」。
オープニング曲は途中から『両眼微笑』に変
わったが、断然『Photo Muzik』が好み。
ちなみに『両眼微笑』はリスナーから募集し
て決まった曲名のはず。
私も応募して候補に挙がっていたと記憶する。


さらに、この時とあと1回葉書を読まれたこ
とがある。
教授が「こういう自意識過剰っぽいハガキ好
きなんですよねー」と言っていたのを覚えて
いる。
何故録音しておかなかったのか。


後日往復ハガキに「サインして下さい」と書
いて送ったら(いや、何せおバカな〇学生が
やることですから)、本当にサインを返送し
てくれた。親切な教授。
しかしそのサインは紛失してしまった…



この番組については詳細なデータベースを掲げ
ているサイトがあり、それを見ると小田和正
井上陽水が複数回ゲスト出演していることと、
OAされた曲にXTCがすごく多いのが意外だ。
JAPANが多いのは納得できるが、何故だろう?
ちなみにこのリストは、洋楽のタイトル・
ミュージシャン名の誤字・脱字がやや目立つ。



もう色々な煮詰まった記憶の滓がぼこぼこ浮か
びまくりの内心。そして闇の中から演奏が始ま
る。新譜「Out  Of  Noise」からの曲だ。


思えば「未来派野郎」あたりから徐々に遠のき、
ダウンタウンと仕事して「アホアホマン」→「世
界のサカモト」化した所で、幻滅してしまった
のだった。



しかしこの聴けばすぐそれと分かる旋律の、
胸を掻き毟られるような叙情性。
言葉がすべて空疎になる。



『composition0919』の時だけ、撮影・録音OK
ですよー、とのたまう教授。
おお、動いている。しゃべっている。などと思う
間もなく、一斉にフラッシュバッシャバシャ、
シャッター音が響き渡る異様な光景。
一応撮ったが、馬鹿馬鹿しく思えた。
全然曲が聴こえないし。
隣のおっさんのシャッター音ときたら「いよーっ、
ポン!」だし。しらけ鳥(古っ)飛びまくり。



新曲・名曲がピアノのみで演奏されていき、
アンコール。
野太い声のかけ声「教授~」。「な~に~」と
答える教授。
いいコンサートだ。さらにアンコール。
「教授~」再び。今度はVサインで答える。


ただ、「戦メリ」だけは弾かないで欲しい。
このままでは辺り憚らず号泣してしまいそうだ。
…ああ、良かった。やってくれなくて。



髪がまだ黒いときに、LIVEを見たかった…
次の機会はあるだろうか?


大昔にコラボレーションした忌野清志郎氏、
享年58歳。確か、同じくらいのお歳なのでは?
人生にアンコールはないしなあ…
勿論自分も含めてのことだ。