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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

モリッシー再び

2016年9月29日
MORRISSEY JAPAN TOUR 2016
@渋谷Bunkamuraオーチャードホール




4年前、単独JAPANツアーを行ない、喉頭癌であること
を告白、2年後に引退する、と表明したモリッシー
これがラストかもしれない、と思い2度馳せ参じたあの
涙のライヴ。そして奇蹟の再降臨。



キング・クリムゾンと同じ、
渋谷Bunkamuraオーチャードホール
大御所ミュージシャンがこのホールを選ぶのは、
音響が良い、キャパシティも丁度良い、という理由から
だろうか。



とにかく渋谷という街が、厭でたまらない。田舎者、年寄り、
と謗られようが何だろうがとにかく厭なものはイヤ。
ガキ臭さ・アンモニア臭が鼻につく。



開演前30分程度、前回同様、モリッシーフェイバリットな
映像が流れた。
前回はオールスタンディングで一部指定席だったが、今回
は全席指定である。


前日は、始まった瞬間、席など無視してステージ前に客が殺到、
モリッシーに抱きつく等の無法地帯と化したため、コワい顔を
した黒服の警備員が通路に並んでいた。
当然のごとく、席の意味などなく、始まった瞬間に自主的オー
ルスタンディング状態。


モリッシーがお出ましになった瞬間、全てが消し飛ぶ。
ああ、また会えた!という安堵感、その他の感情が横溢し、
初っ端から涙ぐむ。
ソロ曲多し、The Smiths時代の曲は少ない。前回マツコ・デラッ
クスばりの女装をしていたギタリストは、今回普段着でつまらな
かった。


しかし、喉頭癌を患っている(た)というのに、何と伸びやかな、
透き通るような歌声だろう。


実際に歌声を聴き、感動を覚えたミュージシャンは、男性では
このモリッシーと、デヴィッド・シルヴィアンだ。そう言えば
デヴィシル氏が10年ぐらい前に来日してライヴを行なったのも、
このオーチャードホールだった。


その時は、風邪だかなんだかで体調が悪く、1時間程度で強制
終了してしまい、以来ずっと消化不良のままだ。
デヴィシル氏にも是非また来てもらいたいものだが、無理なの
だろうか。


やや強硬なベジタリアンであるモリッシーは、The Smiths時代
の『Meat is Murder』を未だに演奏し続けていて、動物愛護運
動に力を入れている。
前日はアンコールで『Meat is Murder』を演奏し、バックにグ
ロテスクな映像を流したらしいが、どこからかクレームがつい
たせいか、アンコールそのものが無くなってしまった。
前日は『What She Said』をやったという事前情報を得ていた
せいもあり、強制終了して客電がついてからも、未練がましく
ホールを出ることが出来なかった。


同じ思いの客が1/3程度残っていた。ああ、煮え切らない。


そして翌々日の神奈川公演は、公演そのものが中止になって
しまった。それを前日の夜11時に発表するモリッシー
神奈川だけしか行く予定がなかったひと、気の毒過ぎます。


それにしても、モリッシーに対して覚えるこの尋常ならざる
親近感はなんだろう。
『There's the Light~』は勿論聴きたいけれど(Radioheadでい
うところの『Creep』みたいなことだろうか)、
私は『Last Night I Dreamt~』もとても好きだ。前回、聴く
ことが叶い、号泣してしまったのを覚えている。

2年後くらいに、また来てくれるだろうか?

This story is old, ― I know,
But it goes on..