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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

和ガラスの神髄

2011年11月19日

和ガラスの神髄―びいどろ史料庫名品選
神戸市立博物館



初めて高速バス、というものに乗りました(女性専用)。
そして二度と乗りたくない、と思った次第です。
神戸に着いたら大雨…


「びいどろ史料庫」とは、昭和45年に神戸市内に開設された、
質・量ともに国内最大級の和ガラスを中心としたガラスの
コレクションで、この度すべて神戸市立博物館に寄贈された
という。


この展覧会はそれを記念して企画されたもので、江戸・明治・
大正期に製作された和ガラスの名品を展示する、とのこと。



まさに垂涎。和ガラスに関する大型本や展覧会図録ではお馴
染みの名品が一堂に会している。壮観。かぶりつきでガン見
して、ガラスケースにぐわん、とか頭をぶつけるなどしつつ。


何時間いても飽きないのは理だが、そういうわけにもいかず、
ベタ表現だが後ろ髪ひかれつつ博物館を後にした。


やっぱり港=近代の入口。特に横浜と神戸は街の造りが似てい
るような気がする。居留地に、現在はルイ・ヴィトンとか
ラダの店舗が軒を連ねているのが面白い。
そういう面では、現在の東京・有楽町周辺にも似ている印象。



その後雨が止んだので、前回行けなかった北野異人館点在地
域に行ってみた。
もう夕方なのに無謀です。この辺には明治~大正期に、外国人
が建てた洋館が点在していて、観光地になっているのですが…
何すかこの眩暈がする程傾斜のきつい坂は。「山の手」じゃな
い。高野山巡りめいている。



「不動坂」「北野坂」「ハンター坂」の上に更に「おらんだ坂」
天神坂」があって、ほとんど登山をしているような感覚。
とてもじゃないが全部なんか巡れそうにない。
もっと時間があれば巡ってみたいのだが。そしてその元・異人館
の多くでは、結婚式が出来るようになっている。



おフランス文学を専攻しておいて、こ
んなことを言うのもなんだが、
日本人って何で「ハレ」の場を西洋風にしたがるんでしょう。クリ
スチャンでもないのに教会で結婚式挙げたりとか。わざわざ外国で
式を挙げたりとか。




「ケガレ」(と言うには異論もあるが)である葬式の場は西洋風には
しませんよね。わざわざ外国に行って式を挙げるなんてことはしな
いし(散骨はするかもしれないけど)。
単に「欧米コンプレックス」で片づけられることなのだろうか。



私は右翼でも国粋主義者でもないけれど、「それ」がたまらなく野
暮だと感じてしまう。
ルイ・ヴィトンの鞄だの財布だの定期入れだのこれ見よがしに持っ
ている高校生にも同じものを感じる。それ、本場ではジジババの持
ち物なのにねえ。高校の制服に似合わないことこの上なし。

経営する側にしてみれば、結婚式場として提供したりしないと、経
営が成り立たないのかもしれませんが・・・入口に「○○家・○○
家式場」とか貼り紙してあるの見ると萎えてしまう



神戸市立博物館では「第46回 古地図企画展示『鎖国』下
の世界知識~刊行された世界図~」
という、江戸時代に刊行
された世界地図の展示も行われていた。


17世紀の中世以降、世界図の主流は東を図の上部に持ってくる卵形
の世界図=「卵形世界図」だったという。

世界の人物像(偏見、想像上あり)を描いた「人形図」も地図の傍ら
に描かれていてとても面白い。この博物館の近くにある「神戸らん
ミュージアム」も「燈火具」を歴史的変遷に沿って展示していて、
大変面白い。江戸時代の行燈、明治時代のランプが実際どの程度の
明るさだったか見せてくれる。


神戸市立博物館で購入したガラス製の出目金。

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