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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

玉川太福&桂宮治 二人会

2018年8月6日
玉川太福桂宮治 二人会」
 @武蔵野芸能劇場




三遊亭金の助『子ほめ』
桂宮治『看板のピン』
玉川太福・玉川みね子
『地べたの二人 「道案内」』
宮治『宿屋の仇討ち』
~仲入り~
太福・みね子
浪花節爺さん』(作:稲田和浩)



三鷹というといつもは反対の南口を降りて、
駅から程遠い三鷹市芸術文化センターに行く
のだが、今日は北口、武蔵野芸能劇場の存在
を実に初めて知った。


マクラで「この会はこれまで松之丞さんと宮治
さんの二人会だったそうで、今回は松之丞さん
があいてなかったのかな、と…」と、最近恒例
じみてきた自虐ギャグをのたまう太福さん。


しかしそれより何より太福さんの今は亡き師匠
玉川福太郎は、生前この武蔵野芸能劇場で定期
的に口演されていたとのこと。


個人の「好み」は如何ともしがたいもので、そ
の芸人さんに非があるわけではまったくない。
笑いを強要するようなマクラからして駄目だった。
「こういうブサイクが」と言いながら、人差し指
で鼻を上向けるしぐさには、不快感しか湧かない。

実力は確かにある。しかしどうしても乗れないし、
拒絶反応がやまない。「落語はビジネスとしてやっ
ている」という考えにも共感できない。
『宿屋の仇討』は、噺として面白いので、どんな
演者さんでも外れがない。


稲田先生作『浪花節爺さん』、拝聴するのは3度目
だろうか。今回、浪花節爺さんが本気で唸る天保
滸伝に、いつにも増して力が入っていたように聴こ
えた。


師匠への想い、また、熟したものが饐え衰える直前
の輝かしさ、とか。何か熱いものがこみ上げて来た。