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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

みたか勉強会2017年7月

2017年7月15日
柳家喬太郎 みたか勉強会」(夜の部)
 三鷹市芸術文化センター星のホール



柳家小んぶ『新聞記事』
柳家喬太郎『義眼』
~仲入り~
柳家喬志郎『三年目』
柳家喬太郎『残酷なまんじゅう恐い』

 

先週の志らく師独演会に続き、今週は恒例喬太郎
みたか勉強会で三鷹へ。


三鷹市芸術文化センターはJR三鷹駅からやや遠いが、
微妙な距離なのでバスには乗らず、いつも徒歩で赴い
ている。南口改札を出てエスカレーターで降り、真っ
直ぐ行く途中、ものすごい悪臭が漂っている場所が
あって辟易した。多分とんこつ系のラーメン店が発生
元と思われる。冬は感じなかったので、夏だけなのだ
ろうか。とにかく排泄物が腐ったような強烈な悪臭。
どうにかならないものか。


小んぶさん(お名前に「小」が入っているが、でかい)
がマクラで喬太郎師は喉の調子が悪い、と言っておら
れたので心配だったが、喬太郎師御自身のマクラ(この
マクラがやや長めで面白かったが詳細は書かない)によ
れば、前日は京都でその前は北海道で、今日は東京昼
夜、ということでだいぶお疲れのご様子。喉の調子が
悪くなっても不思議ではない。御自愛願いたいもので
ある。


『義眼』。志ん生が好んでいたという。私は何故か
立川龍志師の生高座で二回拝聴している。噺そのも
のが構造的に面白いので、喬太郎師が演じると抜群
に面白い。先程のマクラで喬太郎師は、「何を期待
してるのか分からないひとがいっぱい来る」と仰っ
ていたが、こういう噺を拝聴できるが故に、どうし
ても期待していそいそと赴いてしまう。
何故か、と問われれば、「そこに喬太郎師がいるか
ら」としか、答えようがない。


因みに談春師も過去に「アナザーワールド」シリー
ズの際、「何を期待しているんですかねえ、こんな
にいっぱい来て。少しは自分でどうにかしろ!」と
仰っていたのを記憶している。
無論、こちらも答えは同じである。


義眼はガラス製で、江戸時代からあったらしいが、
庶民にとっては高価なものだったであろうと推察
する。



『残酷なまんじゅう恐い』。途中まで「あーこれは
いわゆる『改作』っていうかヴァリアントってやつ
ですね」と思い、ぼやぼや聴いていたのだが、終盤
に至って本当に恐くなってしまった。人間の心裡の
深い部分を抉るような恐怖。これは、紛う方無き上
等の怪談噺です。


こういう滅法面白い高座を拝聴できるため、ついつ
い期待して赴いてしまうわけだが、何卒ご容赦願い
たいものである。