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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

みたか勉強会2016夏

2016年8月27日
柳家喬太郎 みたか勉強会」
 三鷹市芸術文化センター星のホール

 


柳家小かじ『真田小僧
柳家喬太郎『にゅう』
~仲入り~
橘家圓十郎宮戸川
柳家喬太郎『純情日記祖師谷大蔵篇』



2年振りくらいに喬太郎師「みたか勉強会」の
チケットを買うことが出来た。
初めてバスで行くことにしたが、雨だったため、
予想通りえらく時間がかかり、少々遅刻してしまった。



小かじさんは柳家三三師のお弟子さん。
納得の正攻法。
喬太郎師のお友達、圓十郎師は初めて拝聴。
喬太郎師の十八番である「通し」の殺伐さと比べ、
何と軽口の『宮戸川』か。
それにしても、少しお痩せになられたとは言え、
他人(圓十郎師)をデブ呼ばわりできる程ではないし、
圓十郎師のマクラの途中で、「そんなこたあどうで
もいいんだ!」と言いながら、業を煮やした感じで
ステテコ一丁でお出ましになるのは勘弁してほしい。
面白いからいいんですけども。



喬太郎師の一席目は、音響(マイク)のハウリングが耳障
りだった(途中で治まった)が、喬太郎師は「喜多八アニ
さん?」と言ってネタにしていた。
いやいや。先代圓楽か、談志かもしれませんぜ…


生落語に餓えていたため、『にゅう』の面白さは沁みた。
実験的ながらも、演者の自己満足に陥ることなく、客の
欲求と合致する奇蹟。その奇蹟を期待して、「みたか勉
強会」に通う人々。
私もその一人なのだが…
最近の喬太郎師一押しの「純情日記」シリーズ、祖師谷
大蔵篇は、あまりにもウルトラマンマニア向けで、私は
ついていけなかった。
やはりマニアの情熱は同じマニアにしか伝わらない。
自戒を込めて。


ポストモダン哲学落語」(御隠居がハイデガーとかマル
クスとかレヴィ=ストロースだったり、さて若旦那、熊
さん八っつぁん、与太郎は誰?)なんざ喬太郎師には至極
つまらんでしょう。


いつも思うが、三鷹市芸術文化なんたらの、落語部門(?)の
スタッフの方々は、親切至極で有難い。落語が心底から好き、
というのがじんわりと伝わってくる。
某演芸場の感じの悪いおばはんに、是非とも見習ってほしい
ものです。