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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

ソーゾーシーin末廣亭

2018年8月17日
「ソーゾーシーin末廣亭
新宿末廣亭

 


玉川太福・玉川みね子
清水次郎長伝 「石松三十石船」』
瀧川鯉八『新日本風土記
春風亭昇々『お見立て』
立川吉笑『くじ悲喜』




初ソーゾーシーは新宿末廣亭
通常はネタおろしの会のようだが、今回は
「ネタおろさず」。

心の裡は嵐の海で波に翻弄される小舟のごとし。

時間の30分前に行くと、変に途切れた行列あり。
昇々さんが「最後尾はあっちだ」と指を指す。

その指の先に行くと、鯉八さんが「最後尾はここ
ですよ~」と教えて下さった。

さらに、太福さんに木戸銭を払う手筈なのだが、
くるっと向けた太福さんの広い背中に「この会に
は来るんじゃねえよババア」と書かれているよう
な気がしてならなかった。

チラシを下さる吉笑さんの目が氷のように冷たく、
汚いものでも見るような感じで、渡し方も押しつ
けるような感じに思えたのは気のせいか被害妄想
か…

この「ソーゾーシー」、太福さんの会のなかでは、
最も客の年代層が若い。
「キャー!」と若いお姉ちゃんに黄色い声援をか
けられる太福さんを初めて見て、「びくっ」となっ
ている大年増の私(笑)。
太福さんにとってはこういう若いお姉ちゃん等が客
の方が刺激があっていいのかもしれないが、私はい
つもの老若男女の客がざっくり混ざっている会の方
がしっくりくる。


高座はそれぞれの演者さんの個性が思う存分発揮さ
れ、伸び伸びやっている様子が伝わって来て、とて
もよかった。特に普段寄席の定席には出ていない立
川流の吉笑さんがトリを取っていることが感慨深かっ
た。

会場が末廣亭だったので初めて来てみたが、恐らく
もう「ソーゾーシー」の会に行くことはないと思う。
大年増はお呼びじゃないだろうし、不愉快な思いをし
たからだ。

(不愉快な思いというのは、演者さんには関係ない。
すべてではないが、人間が集まると排斥的になるの
は本能か業か病か)