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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

道楽亭開店九周年記念出張寄席 三夜連続感謝祭

2019年2月12日
「道楽亭開店九周年記念出張寄席
    三夜連続感謝祭 第一夜」

@AiSOTOPE  LOUNGE




神田蘭『鼓ヶ滝』
蜃気楼龍玉『もぐら泥』
~仲入り~
玉川太福・玉川みね子
『地べたの二人 「湯船の二人」』

春風亭百栄『桃太郎後日譚』



道楽亭開店九周年記念の会第一夜。
顔付けが素晴らしいので伺った。


平日なので仕事の後、冬の夜とて真っ暗。
会場の場所が分からず、ぐるぐる迷って
しまった(極度の方向音痴)。
開演ぎりぎりの時間にようやく辿り着く。


入口らしき所にお席亭さんともう一人ス
タッフの人がいて、受付の台などを片付
けていた。え、入ったらまずいのだろう
か、と思ったら、スタッフの人がお席亭
の顔を見ると、「あ?いいよ」と素っ気
なく言う。入っていいらしい。


どうもここのお席亭さんは苦手だ。


蘭先生の高座は実に初めてで、『鼓ヶ滝』
とは。某ほぼ真打講談師の高座で何度か
拝聴しているが、御両名ともにユニーク
(唯一の、の方の意味)な存在である。


龍玉師。これまであまり高座に接するこ
とはなかったが最近注目するようになっ
た。「殺しの龍玉」という通称をお持ち
で、物騒な噺を得意とされているが、今
まで拝聴したのは泥棒の噺が多い。今席も。


しかしこれほど美しい手をした男性を見
たことはかつてない。不気味なほどであ
る。その名のごとく、全身にうっすらと、
水を纏っているかのように艶めかしい高座。
泥棒の噺でありながら。


太福さん&みね子師匠は末廣亭二月中席夜
の部に出演されてから楽屋入り。
「湯船の二人」は毎回細部に変化がある。


百栄師。
久し振りに拝聴、盤石。しかし『桃太郎後
日譚』を選ばれたのは何故だろう。
じっくりと湧きあがってくる可笑しみ。
中毒性がある。「ケーン!」


落語・講談・浪曲と、個性的な演者さんが
顔付けされていてそれだけで面白い会だっ
たが、化学反応などは起きることはなく、
水のなかの油のごとくそれぞれ混じること
もなかった。