2014年01月05日
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
@吉祥寺バウスシアター
2013年作品
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ティルダ・スウィントン/トム・ヒドルストン/
ミア・ワシコウスカ/ ジョン・ハート他
音楽:ジョゼフ・ヴァン・ヴィセム、ジム・ジャームッシュ
ジム・ジャームッシュの映画を映画館で観るのはものすごく
久し振りのことである。
ヴァンパイアもの、でティルダ・スウィントン、最近注目されて
いる英国俳優の一人トム・ヒドルストン、ジョン・ハートの名に
惹かれ、珍しく足を運んでみた。
さすがに、映像・音楽ともにスタイリッシュでカッコいい。
ジャームッシュ特有の「一抹の泥臭さ」も健在。
トム・ヒドルストンとティルダ・スウィントンが良い。
ヴァンパイアだから当然だが人間の雑駁で生臭い部分が
なく透過するまでに美しい。凡百の恋愛映画に出て来る
兄ちゃん姉ちゃん好みの人には、ただの汚い兄ちゃんと
不気味なおばさんにしか見えないかもしれないが。
ティルダ・スウィントンと言えばデレク・ジャーマン
の映画。こちらも映画館で観たのがものすごく久し振
りで懐かしかった。前回は『ヴィトゲンシュタイン』
だっただろうか。もう53歳とは…
「ヴァンパイア映画」はひとつのジャンルとして確立し
ている気がするけれど、萩尾望都『ポーの一族』の実写
版が見てみたいし、世界的に受け入れられるような気が
する。
「我が青春の映画館」であった(既に無き「ジャヴ50」と
共に)吉祥寺バウスシアターだが、本年5月末日をもって
閉館することになったという。寂しい限りである。
この世に永遠なもの・ことなど一つもない。
だからこそ、永遠に生き続ける吸血鬼(ヴァンパイア)
という存在が、人を魅了し続けるのだろう。