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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

田辺凌鶴独演会「これも凌鶴あれも凌鶴」

2022年11月26日(土)

 

「田辺凌鶴独演会
    『これも凌鶴あれも凌鶴』」

 (第24回)

 @新宿道楽亭

 

 

田辺凌天『湯水の行水』

田辺凌鶴『杉野十平次

~仲入り~

凌鶴『仙石騒動「神田作十郎との別れ」』

  『島野 修』

 

凌天さんは久し振りのような気がする。
『湯水の行水』は季節もので、夏にかけては
いけないらしい。リアリティが出ないからだ
ろうか。

 

主催の道楽亭さんのフライヤーで、
「ネタのデパート」という称号を付されてい
るが、本当に凌鶴先生は引き出しを数多くお
持ちで、古典新作多種多彩だ。

 

義士銘々伝『杉野十平次』。俵星玄蕃が出て来
来ると暮れが迫っているのがリアルに感じられる。

 

「仙石騒動」は江戸時代の三大お家騒動のひと
つだが、背景がやや複雑だ。
連続物で、この「神田作十郎との別れ」はいわ
ゆる「神田作十郎、転(うたた)を救出する」の段
に該当するだろうか。
凌鶴先生に「仙石騒動」を読むきっかけを与えた
という、亡くなられた講談ファン(Twitterアカウン
トだと「まあ」さんだろうか?)のエピソードが切
なかった。

私には筋を追うのが難しかったので、村上元三
小説か漫画で読んで筋をつかんでから講談を聴い
た方が理解が深まるかもしれないと思った。

 

『島野 修』とは、プロ野球選手にしてスーツアク
ター。プロ野球球団のマスコット着ぐるみを着る人。
オリックス・ブルーウェーブのマスコット「ブレ―
ビー」「ネッピー」の”中の人”が島野 修だ。

私はあまり野球には興味がないが、着眼点が面白く、
なにもかもが新鮮だった。

 

願わくばもっと多くの人に聴いてほしいし聴かれる
べきだ。贅沢過ぎる空間で緊張してしまった。