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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

玉川太福『男はつらいよ』全作浪曲化に挑戦!17

2022年3月13日(日)

 

玉川太福男はつらいよ
      全作浪曲化に挑戦!17」

 日本橋社会教育会館

 

玉川太福・玉川みね子

『祐天吉松「飛鳥山」』

~仲入り~

男はつらいよ第二十一作
      「寅次郎わが道をゆく』

 

 

珍しく日曜日夜の開催で、予習もできたし心にゆとり
を持って臨めた。
マドンナは木の実ナナ。ゲスト登場人物として、
武田鉄矢、竜 雷太(ほとんど台詞なし)。

映画を観た段階での感触は、それほどそれっぽさがな
武田鉄矢が意外に難しそう、ということと、華やか
な集団のレビューなど、視覚的要素が強い場面をどう
表現するのだろうか、などの懸念があったが、期待は
良い方向に裏切られて爽快だった。

節付け編集力、随所に散りばめられた工夫ー突然のレ
ビューダンス(表情>笑)、サイレント映画・コントによ
くある階段降りなどーが素晴らしく、時を忘れた。

「このバカチンが!」という台詞と耳に髪の毛をかけ
るしぐさだけでその人と分かる芸。
万人の想像力を喚起できるってすごい表現力だな、と
物真似芸の素晴らしさに改めて感心した。

そして結婚するからには踊りの道を諦めなければなら
ない時代の理不尽さに苦い郷愁を覚えた。

6月21日開催の次回第二十二作「噂の寅次郎」も予習
から実に楽しみだが、6月9日の記念すべき国立演芸
場での15周年記念独演会は何と山田洋次監督がゲスト
で、監督の御前で名作「寅次郎夕焼け小焼け」が披露
される。
比類なき”ハレ”の舞台に客として参加できるのは、恐悦
至極の喜びである。