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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

義士とお化け

2018年12月25日
「義士とお化け」
 @渋谷区文化総合センター大和田
            伝承ホール




神田松之丞『寛永宮本武蔵伝 「狼退治」』
     『小幡小平次
~仲入り~

     『赤穂義士伝 「大石東下り」』




今度はクリスマスに講談。どうせ咳をしても独り。
今年の演芸納めは、図らずもこの御方の会になった。

講談師を揶揄した言葉、
「冬は義士 夏はお化けで 飯を食い」
をまんま実践する会。冬に怪談てどうなんだ?
しかも『小幡小平次』ガチで恐いんですが。

マクラ。
耳にタコのみならずフジツボでも出来る勢いの、
講談と落語の違い、を語り始めたので、
「は?今更何言ってんだコイツ」というような
顔を大多数の客(自分を含む)がしたのだろう、
すぐに「あ、分かりました今日は常連が多いですね」
と言いつつ途中でやめた。


今年の仕事納めは28日のスタンダップコメディーの
会。出演するにあたり、着物ではまずかろうと、嫁&
子を連れて、浅草で衣装を探してうろついた。結局
ツービートみたいな衣装(ギラギラで蝶ネクタイ)を
値切って3万5千円で購入したそうである。
で、「ちょっと立ってみましょうか?」と立ちあが
り、客席を睥睨した。でかい。最近は横にもでかい。
顔ぱんぱん。着物だとあまり分からないが。


寛永宮本武蔵伝 「狼退治」』。
何故かこの演目に当たることが多い。
可愛こぶりっこ狼のぶりっこ振りが、
グレードアップしていて寒気を覚えた。
少々演出過剰である。


『小幡小平次』。
客電を落とす。「暗くすると、眠くなるんですよね」
とひと言付け加える。本音は「寝るんじゃねえよ爺
婆」、というところだろう。
ストレートに恐い。この人は、何故怪談(人を恐がら
せること)が上手いのだろう?改めて考えてしまった。

赤穂義士伝 「大石東下り」』。
師匠である松鯉先生の十八番で、今年師匠直伝で教
わったとのこと。昼の会でネタ下ろししたそうだが。

「義」。人の美しい心の形。探り探り、とても慎重
な語り口。師匠の域に達するのはいつの日か。


※28日、2020年2月に真打昇進の報。
おめでたいことです。