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感想ブログ~演芸(落語・浪曲・講談)etc.~

立川談春独演会2018@狛江

2018年2月1日
立川談春独演会 2018」
 @狛江エコルマホール

 


立川談春

阿武松
~仲入り~
『妾馬』





今年もまた談春師の独演会ツアーが始まった。
昨年は、東京周辺で行われる場合、平日・開演時間
PM18:30、が主だったので、他の用事と合わせ、
半休を取るなどの策を講じなければならなかった。



自分としては昨年最後の談春師独演会の際、
普段は書かないアンケートに、「平日の開演時間
はせめてPM19:00にしてほしい」旨を書いたのだが
(談春師宛てではなく主催者宛てとして)、今年はその
願いが叶ったかたちになった。他にも同じことを書い
た客が多数存在したのかもしれない。



前回、8年待った念願の『庖丁』を拝聴できた、紀伊
屋サザンシアターの独演会では、所作があまり見えない
くらいの席だったが、今回は割と間近で、所作がよく見
えた。



表情等を近くで見ることが出来たのも久し振りのこと
だったが、痩せられた、と言うよりやつれた感じ。



以前から少し気になっていたお使いの茶碗は、やはり
瀬戸物の普通の湯呑茶碗で、富士山の染付文様が見えた。



マクラは最近かまびすしい大相撲関係を、長めに。
私は相撲には殆ど関心がないので、「ふうん」と聞き
流すような感じ。談春師がそんなに大相撲が御好きだ
とは存じませんでした。



というところからいきなりの『阿武松』。マクラから
して、まったくその予感がなかったかと言えば嘘にな
るが、意外な展開。談春師では初めて拝聴した。
阿武松』終演後、緞帳が下りる際、腕を組んで「やっ
ちゃった...」
と言っていたように見えたのは見間違いだろうか?



仲入り中、「そうすると、あと『藪入り』で終わりか
な?」と思っていたら、まさかの『妾馬』。何故なぜ
ナゼなにゆえに???????



これは普段の睡眠不足と仕事後であった個人的な事情
で、大変申し訳ないのだが、所々、一瞬意識が遠のく
場面があった。八五郎がおっ母さんに紋付き姿を見せ
に行く場面、ちょうどおっ母さんが針仕事をしながら
居眠りしている所で、八五郎が「おいババア、寝てん
じゃねえ、起きろ!」と怒鳴ったとき、丁度一瞬意識
が飛んでいたので、驚いたの何の・・・(申し訳ござい
ません、何卒御容赦)



今年もやはり読めない。別に「読む」必要などないの
だが、『庖丁』の件以来、もはや「癖」になってしまっ
ているのだった。よく分からないが、
毎回談春師と「勝負」しているような緊張感を、自ら
勝手に作り出してしまっているのだ。



終演後、「止んでいるみたいですよ(その日は夜から降
雪の予報だった)、来る時暖かかったでしょう?」と言
われたが、会場を出ると雪がばんばん降っていた。
つく溜息も白く...


しかし私はもう、アカシアの雨ならぬこの牡丹雪にまみ
れて、このまま死んでしまってもいい、と思える程に、
身も心も冷え切っていた。


そう言いつつもアンケートに、今度は談春師宛てに「是
非『青龍刀権次』を拝聴したいです」と書いて提出した。
これは本当に、拝聴したい。考えただけでわくわくして
くる。


今年も、きっと死ぬまで談春師は私にとって「そういう」
存在だ。